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マンション購入。それは、人生に影響するかもしれない大きな選択
多くの人にとって、一生にそう何度もない マンション購入 。
そんな大きなライフイベント、絶対に失敗したくないですよね。
8年以上都心マンションを扱ってきたプロの目線で、買ってはいけないマンション5つの特徴をご紹介します。
- そのエリアで需要のない間取り
- 価格が安い以外にとりえのない物件
- 総戸数が少なすぎる物件
- 総戸数が多すぎる物件
- 間取りが1R、1Kもしくは1LDKのみ
1. そのエリアで需要のない間取り
これは資産価値(=売る時に有利になるか)の話です。
例えば、2LDK希望で予算が3,000万円としましょう。
都内では希望する築浅の物件が見つからないから、少し郊外へ。
そこでみつけた2LDK、予算以内。
バス便だけどバス停も近いしなんとかなりそう!
でも実は…
それぞれのエリアに独自のマーケットがあります。
不動産業者はそれを「エリア性」と呼びます。
都心から離れた郊外で、ファミリー層が多いベッドタウンの場合、1~2LDKは売却時に買い手がつきにくいです。
そのエリアで選ばれるのは、家族が住める3LDK以上の間取り。
ましてやバス便となれば、車持ちのファミリー層がターゲットになるでしょう。
予算と間取りに合わせてエリアを選ぶと、売却時、圧倒的に需要の母数が少なくなる可能性があります。
つまり、売却が長期化することによる経済的リスクが伴う危険性が高まるのです。
チェック
2. 価格が安い以外にとりえのない物件
こちらも資産価値の話です。
何かしら特徴のある物件を選んだほうが、買い手はつきやすいです。
そして忘れてはいけないのは、買い手は1人いればいいということです。
一定の需要母数があって、何かしらの特徴があれば、その1人は必ず現れます。
例えば
- 北向きだけど、バルコニーの先に遮る建物がなく眺望が開けていて開放感がある。
(業界用語では「前建がなくて、眺望が抜けている」といいます)
- 日当たりは良くないけど、天井高が平均より高い260cm以上あって開放感がある
- 眺望は開けていないけど、3方角部屋で日当たりは良い
- 1階だけど庭や駐車場がついている
- 部屋は狭いけどルーフバルコニーがある
繰り返しになりますが、何かひとつ特徴(=とりえ)があれば、必ず売れます。
例え少し高くても、それを欲しい人が1人は必ず現れます。
逆に、その物件の良いところが相場に比べて価格の安さしかなければ注意しましょう。
5年後、10年後売却するときには、さらに価格を下げるしか売る方法はありません。
つまり、資産になりなくい物件ということになります。
資産にならないってどいうこと?
例えば3,000万円を銀行から融資して、3,000万円のマンションを購入したとします。
毎月ローンを返済していき、数年後に残債が2,800万円になったタイミングで売りに出したとしましょう。
物件の個別性だけではなくマーケットの影響も受けますが、仮に2,500万円でしか売れない場合どうなりますか?
残債割れした300万円をポケットマネーから出して(=キャッシュの持ち出し)銀行に返さないといけなくなるのです。
売買をするときにはそのほか諸費用もかかります。
これでは引っ越したくても引っ越せない、売りたくても売れない、いわゆるマイホームが資産とは真逆の負債になってしまうのです。
3. 総戸数が少なすぎる物件
ここでは所有中のリスクの話です。
多くの マンション を見てきた経験からいうと、20戸以下は少なすぎます。
総戸数が少ない物件にはメリットとデメリットがありますが、ここではデメリットを重点的にお話しします。
総戸数が少なすぎることのデメリット
- 管理費・修繕積立金が高いことが多い
- 災害やアクシデントによる一時負担金の1住戸あたりの負担が大きいことがある
- 共用施設が充実していない
主に金銭的な負担です。
マンション を所有するとマンションを管理するための維持コスト(=管理費)がかかります。
また、10年に1度のスパンで実施する大規模修繕のための貯金(=修繕積立金)も必要です。
もちろん戸数が少なければ、その分物件も小さいことが多く、規模の大きいマンションに比べればそれらの固定費は全体の総額としては低いかもしれません。
しかし、1住戸あたりの単価としては負担が大きくなることが多いです。
また、災害やアクシデントにより緊急修繕が必要で一時金徴収となった場合(もしくは管理費が上がる場合)、100世帯のマンションに比べ、総戸数が少なければ少ないほど1住戸にかかる負担は大きくなります。
そのほか、一等地の低層マンションで、全戸角部屋のプライベートビラ風高級マンション!だったら話は別ですが、小さい土地に窮屈に建てた20戸以下のマンションの場合、最低限の共用施設しかないことが多いです。
充実した施設が必要ないとしても、デベロッパー側としても採算が合わないことがあり、開放感のあるオシャレなエントランスなど空間を贅沢につかったデザインはそう多くはないかもしれません。
戸数が少ないため角部屋率が高い、住人の顔が分かるから安心感がある、エレベーターが混雑しにくいなどの戸数が少ないことならではのメリットももちろんあります。
4. 総戸数が多すぎる物件
では逆に戸数が多すぎる場合のデメリットです。
ここでは、所有中のリスク・資産性どちらにも影響する話です。
100戸以上は大規模マンションに該当します。
超高層タワーマンションでは1000~3000戸以上も珍しくありませんが、300~500戸以上はすでに戸数が多すぎると言えるでしょう。
では戸数が多すぎるとどんなデメリットがあるのでしょうか。
- 複数機あってもエレベーターが渋滞することがある
- 多種多様な人が住んでいるため安心感がない
- 共用部が充実しすぎていて逆に管理費が高い
などがあげられますが、最もネックなのは売却時です。
それだけの戸数があれば、物件売却時に他の住戸も多数売りに出ていることがほとんどだからです。
同じマンション内(つまり、エリアも、物件スペックも、築年数も同じ棟内)で売り物件が重なった場合、階数や間取りによって優劣はあれど、数限られている購入者の母数を奪い合う関係で、価格競争になってしまうことが多いのです。(=供給過多)
売り急いだ住戸が低価格で成約してしまった場合、それが成約事例として記録され、マンション全体の相場を下げてしまう恐れもあります。
5. 間取りが1R、1Kもしくは1LDKのみ
マンションの間取りが1R、1Kもしくは1LDK、つまり単身用で占めている場合も注意が必要です。
単身用の間取りは投資物件(=賃貸で貸す前提)として購入されることが多いです。
また、最初は自身の居住用で購入していたとしても、家族構成が変わり途中から賃貸に出すこともあります。
つまり、居住者が所有者ではなく、賃借人である率が高くなります。
賃借人にはそこに住み続ける覚悟や意志がないため、他の住人との人間関係を大切にせず、騒音やゴミの分別など快適な環境維持に無頓着なケースが多くあります。
現在、東京都ワンルームマンション規制というマンション新築時の規制があります。
各23区により規制内容は異なりますが、例えば、1戸あたりの最低専有面積28㎡以上とする、一定戸数に対しファミリータイプの部屋を併設する、などといった内容です。
この規制の背景には、ファミリー世帯に比べ、単身者のゴミ出しのマナーの悪さや自転車の路上駐輪などが問題化してきたことが挙げられます。
また、所有者は遠方に住んでいるため、マンションの大事な決め事をする定期総会への参加率が下がり、住人主体での活性的な議論がなされずに、特定の理事長に委任するかたちで重要な事項が決定してしまうこともあります。
購入しようとしているマンションの他住戸の間取りを確認することは、良好な管理体制のもと安心して生活するための指標となることは間違いありませんね。
大切なのは、家族の幸せを育む家かどうか
いかがでしたか?
これからマンション購入を検討している方は、是非参考にしてみてください。
ここでもうひとつお伝えしたいのは、不動産は面白いもので、この世にひとつとして同じものが無いということ。
だから、この5つの特徴に当てはまる物件を買おうとしている、もしくはすでに買ってしまったという方も心配はしないでくださいね。
物件選びの参考にはなりますが、すべての物件に当てはまるものではありません。
そして売却時の資産性も重要ですが、なにより大切なのはそこで幸せな毎日が過ごせるかです。
今、そこで幸せな時間が過ごせていれば大正解なお買い物です!
より多くの人が、それぞれのオンリーワンの物件に出会えることを祈っています。